今思うと、二男の私には両親から兄を助けてやってほしいという願いがいつの間にか背負わされており、「長男を立派な後継者に育てたい」あるいは「長男がよい経営者となるには、夫婦仲をよくさせなければいけない」といった両親の「思い」が刷り込まれていた。
この「思い」は長男夫婦を甘やかし、一方、二男の私の心に両親の願いを自分の願いとする生活規範をつくり出していた。
両親は、私に対して同じ会社で働く以上すべて兄と平等にすると私には話しており、それに嘘はなかったと思うけれども、兄弟の多い長男夫婦であった両親はなかば無自覚に兄を立て、一族の長としての自覚をもたせようとし、弟は補佐として物質的に平等にすればよいと考えていた。
こうしたことは、会社に二人の大将はいらないと私に自覚させ、両親の前でも社員の前でも常に自分を兄の下におくように心掛けさせた。
そのことは両親や兄には分かっていると思っていたが、父は自分の願いを優先させ、気丈だった母は病気がちな孫の心配でボケがはじまっていた。
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