第五章 病院のイノベーション
二〇〇〇年に介護保険制度が発足し、慢性期型病院である当院も一病棟を介護保険型病床にしていた。
二〇〇三年、福岡国際会議場の「管理者育成のA塾」(大学教授、公立病院院長、事務長が主宰されていた)の講演会に感銘し、事務長を塾友として数日間の合宿に参加させていただいた。
この時、主宰の先生方に療養病床の将来についてお尋ねしたところ、「重症患者を診ない病院は病院として認められないので、老健になる」と言われた。この言葉で当院の方針が決まり、介護保険型病床を中止し、全病棟を特殊疾患療養病棟にした(表5)。
県内の救急病院を訪問し、初期治療後の重症患者さんの受け皿として尽力する旨を説明して紹介をお願いしたところ、全ての救急病院で「それは助かる」と歓迎の言葉をいただいた。訪問先でISOと機能評価認定取得を感心された。
数年内に県内全域、県外からの紹介もいただけるようになっていった。二〇一二年に事務長になった白濱好美君も入塾させてもらい、先生方に前事務長が受けた研修後の取り組みで療養病棟として医療区分2・3(表6)の患者さんが95%以上で病床を運用していることを報告したところ褒められ喜ばれた。病院のイノベーションだったといえる。
※英国の人類学者ロビン・ダンバーによって提案された。人間が安定的な社会関係を維持することができる人数の上限のこと。
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