駿河湾はいつできたか
私は学生時代から現在までのほとんどを、静岡県静岡市で過ごしてきました。そして、静岡市とその周辺の山々や丘陵の地質を実際に歩いて調査してきました。
静岡市は東西に長い静岡県の真ん中にあり、太平洋から北側に深く湾入した駿河湾の奥に位置します。私たちの調査で、この駿河湾(図10)とその周辺の現在の地形は、ごく最近の今から約四三万年前以降にできたことがわかってきました。
駿河湾の中央には南北に深い「駿河トラフ」と呼ばれる狭い海底谷があり、南側で南海トラフにつながっています。
この駿河湾の中央にある狭い海底谷の西側には、「石花海堆(せのうみたい)」という海底の高まりがあり、その西側には駿河湾西岸までの間にもっとも深いところで水深一〇〇〇メートルもある石花海海盆(かいぼん)があります。
石花海堆をつくる地層は今から約一〇〇万~四三万年前に河口の扇状地(ファン)とその海側の三角州(デルタ)で堆積した礫層からなります。その礫層に含まれる円礫の種類は、静岡市を南北に流れる安倍川(あべかわ)の円礫の種類と同じもので、四三万年前までの安倍川は駿河湾の中央西側の石花海堆のところまで流れていて、そこに河口があったと考えられます。
【1】河村善也・亀井節夫・樽野博幸(1989)日本の中・後期更新世の哺乳動物相.第四紀研究,28, 317–326.
【2】川田伸一郎・岩佐真宏・福井 大・新宅勇太・天野雅男・下稲葉さやか・樽 創・姉崎智子・横畑泰志(2018)世界哺乳類標準和名目録.哺乳類科学、58(別冊),1–53.
【3】三枝春生(2005)日本産化石長鼻類の系統分類の現状と課題.化石研究会会誌,38, 78–89.
【4】河村善也(2014)日本とその周辺の東アジアにおける第四紀哺乳動物相の研究―これまでの研究を振り返って―.第四紀研究,53, 119–142.
【5】海上保安庁(1994)大陸棚の海の基本図(20万分の1)駿河湾西方(No.6639).水路協会.
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