身体の方はやせ細り、足は大人になってからの人生で一番細くなっていた。想像しただけでも滑稽な姿になっていたことが分かる。

1回で4時間の透析では尿毒素が取り切れずに、身体の中で少しずつ溜まっていくような感じがしてならなかった。血圧の薬も飲んでいるのに160以上はあったが全然下がらなかった。

こんなに水分や食事、塩分制限をしているのに何故下がらないんだろう? 血液検査でナトリウムの数値はいつも-(マイナス)が付いているくらいなのに……。

顔の色も少しずつ土色になっていった。透析直後でも身体は重苦しさが残り、冬は特に乾燥で喉がからからに乾く。透析患者にとって、一気にお水を飲むことなんて一番のNG行為で氷を1個口に含む。焼け石に水のような感じだがこれしか方法はないのだ。水分制限が苦しくて鬱になりそうになった。

東京の冬がこんなに辛く感じるとは。一年中、温暖な場所で暮らしたいなぁ……と、切実に考えるようになっていた。

平成21年10月、初孫が誕生した。母子ともに健康で安産だった。わたしは自分の時のことがあるから、異常出産にならなくて心の底からホッ! とした。毎日のように孫の顔が見たかった。とにかく可愛くて可愛くて。孫ってやっぱり可愛いね。

透析導入から4年7か月が過ぎる頃、長女が結婚した。これを機に、大好きな石垣島なら汗もかけるし乾燥も東京より少ないだろうと考え、移住をしたいと強く思うようになった。住むための下調べに有休を取って一人石垣島へ行った。一人での旅は生まれて初めてだ。

試し読み連載は今回で最終回です。ご愛読ありがとうございました。

 

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