【前回の記事を読む】妻にほったらかしにされて、まるでひとりぼっちになったみたいだ…。僕は今、3番…いや、4番目……?

クリスマスに向けて、香子のゴリゴリ肩こり

丈哉さんのベストを作るのに約一か月かかった。二人分だったら二か月かかる。来月に間に合わせたい!

どうすればいいのか分からなくて必死で編んでいる……。丈哉さんに迷惑かけながら……。

あまり話しかけない丈哉さん。悪いなと思いながらも編み続けた。

朝食、パンとコーヒーだけで「ごちそう様」

えっ!

「どうしたの? 体調悪いの?」

丈哉さん、「いや」とだけ……。

外へカンタと散歩へ行く様子。

お昼ご飯、オムライスを作った。

半分残す。また、外へカンタと遊んでいる。

う~ん、どうしたものか。へそを曲げている様子。

お夕飯、大好きな魚のおつゆ。あら、おかわりしない。

「ねぇ、どうしたの?」

寂しく肩を落として一人で先にベッドへ。

一言、「ベストに香子を奪われた気分」

可愛い、あの怖そうな顔の丈哉さんが。

三食の時間が会話なし……。

丈哉さん、書斎にいる時間が長くなった。ごめんなさい……。

 

二週間が過ぎた頃、「出来た!」

綺麗に仕上がった。

「丈哉さん、圭君のベスト出来たよ。見て!」

書斎に行って、あまりにも嬉しくて 書斎の丈哉さんを後ろから抱きしめた。

嬉しくて首にキスをした!

「そうか」とだけ。照れ臭そう……。

「ねぇねぇ、こっち見て!」

「はぁ~、何?」冷たい言い方……。だけど手は胸へ。

膝の上に座った。手は太ももへ。丈哉さん、ニヤニヤ。

「ほら、宝物の圭君に似合いそう。見て!」