【前回の記事を読む】日本の里山、スイスのアルプス——共通する努力と、スイスのオーガニック食生活「ビオ(Bio)」が示す意識の差

Part1 私のスイス生活の始まり

1. 日本人が親しみやすい国スイス

牧草を食べる牛から作られたアルプスチーズは、旨味が半端なく美味しい!

スイスのイメージの一つとして、チーズがあります。私が美味しいと思うのは、何といってもアルプスチーズです。特に海外で有名なのは、穴のあいたエメンタールチーズです。

『トムとジェリー』にも出てくる、あれです。

日本で輸入チーズは高価な代物で、中でもスイスチーズは断トツ高い!です。

日本で味噌が地域ごとに特色を持つように、スイスでもチーズは地域によって特徴が異なります。例えば、グリュイエール地方で作られるグリュイエールチーズのように、その土地ならではのチーズが豊富にあります。

グリュイエールチーズの貯蔵庫

本当に美味しいチーズというのは工業的に大量生産されたものではなく、アルプスで牧草を食べて育った放牧牛のミルクから作ったチーズです。私からすると、大量生産され、スーパーで売っている日本のチーズは化学的な味が強く、まずくて食べられません。

夏の間、農家の人々は牛の放牧をして、生乳を絞ってチーズ作りをします。まさにハイジの世界、アルプスの山を想像してもらえるとわかり易いです。アルプスをハイキング中、農家のチーズ小屋を訪ねて、チーズを分けてもらい購入することができます。

例えば、グリンデルワルトへハイキングに行って、途中、農家の無人チーズスタンドに遭遇し、電子マネーで購入し、家に持ち帰ったこともあります(27ページ写真)。

ベルナーオーバーランドの無人チーズスタンド

発酵食品としての旨味がたっぷりある美味しいチーズです。牛の写真が目印のベルナーオーバーラント地方のチーズは、スイスのミグロスーパーにも売っていますから、もし、スイスへ行ったら是非買ってみてください。

アルプスチーズ(アルプスで作られたチーズ)、またはベルグチーズ(山で作られたチーズ)と記してあれば、素朴なチーズ本来の味に出会えます。