今でも二人の大臣の名前は覚えているものの、総理大臣は分かるが農林大臣の名前が出たのは傑作だ。ところがこれを聞いて烈火のごとく怒ったのが祖父長太郎だった。

「こないなむげない子に他人の飯を食わそうとは何という酷いことをするんじゃ、それでも親かや。」

ここに登場するのが叔父の学だ。彼はさすが官職らしく三時間ほど掛けて祖父にじっくり言い聞かせた。

すると次の朝から祖父は珠輝の入学はまだ決まってもいないのに「今度珠輝が学校へ行くがや。帰ってきたうりには偉うなっとるがや。」

そんなことを知り合いたちに言いふらすのだから珠輝にとっては、はた迷惑な事だった。だが祖父にしてみればそれだけ彼女が愛おしかったのだろう。一方父は、この件に関しては全て母に任せっきりだった。

やがて珠輝の施設入所と盲学校入学の日取りが決まった。珠輝には学校に行けるようになったとだけ聞かされた。これを誰よりも喜んでくれたのは川村のお姉ちゃんだった。

次回更新は12月16日(火)、20時の予定です。

 

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