『自己分析 就活』で検索したところ、見つかったサイトは以下の通り。『100問で丸わかり!? 自己分析のすべて』、『【2025年最新版】徹底！ 自己分析！』、『内定0の私が知った自己分析の仕方』、『質問に答えるだけでOK！ AI診断』……。
なんだか、どれも嘘くさい。やはり僕の中には、こんな質問程度で自分の性格がわかるわけがないという、勝手で無駄な思い込みがあるようだ。
そんな中、あるサイトを見つけて、思わずタップした。なぜそれを開いたかというと、今日の就活セミナーで講演していた外部講師が監修したものだったからだ。大学のお墨付きがついた人間が監修したサイトなら間違いはないだろう。
家、と呼べるかも微妙な木造のアパートに帰り、早速自己分析とやらを始めてみる。幸い、僕は一人暮らしをしている。呼びかけてくる人もいないこの環境で、スマートフォンの通知も切れば、集中して取り組めるだろう。
スマートフォンを見なくて済むよう、サイトのページはコンビニで印刷してきた。紙を広げて自己分析に取り組む。
自己分析のサイトには、過去の自分の実体験から、嬉しかったことや悲しかったこと、悔しかったことを書き出してみましょう、と記載してある。僕にとってそれは一つしか思い浮かばない。
嬉しい気持ちも、悲しい気持ちも、悔しい気持ちも、憤りも、失望も、後悔も、すべてあの高校生時代にある。僕の全部が詰まって溢れそうで、蓋をして思い出さないようにしてきた、大切で許せない想い出。
目を瞑ると、それは鮮やかに昨日のことのように蘇ってくる。大人を憎く嫌った高校生時代を今、思い出すことにしよう。僕が罪を犯したあの頃のことを。
次回更新は12月23日（火）、11時の予定です。
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