頭頂連合野のうち、上頭頂小葉には、体性感覚野からの情報と、視覚野からの視覚情報が入る。体性感覚(皮膚、関節、筋などからの感覚)情報に基づいて、自己の身体の位置や運動に関する情報を知覚している。
これは、身体図式や身体イメージの形成に関係する。また視覚野からは視覚対象の方向や位置の視覚情報が入り、これによって視覚対象と自己の身体との空間的な関係性も認識される。
たとえば、見えている机の上の書類を手に取ろうとする場合、自分の身体である手と、対象物である書類との位置関係(距離や方向など)が認識されているので(手の位置は体性感覚情報からだけではなく、見えているので視覚情報としても認識できている)、どのように書類に手を伸ばせばいいのかという手の運動軌道を決定することができる。
このように対象に手を伸ばす行為をリーチング(到達運動)という。このリーチング行為は、何かに手を伸ばして対象を把持する行為につながり、よく行われる基本的な動きである。上頭頂小葉は、体性感覚情報と視覚情報とを統合して、このリーチング動作を可能にしている。
もちろん上頭頂小葉は感覚野であって、実際に動作を行うには運動野との連携、とくにリーチングに関しては運動前野との連携が必要である。
ちなみに対象物と自己の身体との位置関係や方向などを認識し、リーチングなどの動作にその情報を使う場合、外部の対象物を原点とする空間的な座標軸と、自己の身体を基準とする座標軸とが想定され、それらの相互関係に基づいてリーチング動作などが実行されると考えられている。
対象物は外の空間に存在していて、上頭頂小葉は視覚を介して、対象物を原点とする座標軸の空間定位に関係し、対象物が空間内のどこに位置しているのかということを定位するはたらきと、体性感覚を介して自己の身体を基準とする座標軸の空間定位に関係していて、自己の身体や手が存在する自己を中心とした空間内での内部座標を使った位置の情報とを、相互に認識、変換することによって、リーチング動作(物体への到達)を可能にしているということである。
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