で、次が女子。

「ちょっと! 加納!」

なんだ? 呼び捨てか? まだ隣の席には彼女が来ていない。僕の机を取り囲むように女子が集まった。

「あんた、夏子と何してんのよ!」

「夏子に言い寄ったりしてないでしょうね!」

本当に男扱いされていない現実。

『男だったら言い寄ったっていいじゃんか!』

前の日、彼女から「頼りにしたかった」と言われたばかりの僕は、その時の光景も思い出していた。

「……っと! 聞いてんの!」

ひとりの女子の言葉が耳をついた。

「あ?」

「だからさ。夏子よ」

「安藤さん? ……がどうかした?」

またシラをきった自分。

「昨日、公園で……」

「わかったわかった」

また男子と同じ内容の言葉がくることは容易に想像できた。僕は、その女子の言葉を遮った。

「抱き合ってたとか言いたいんだろ?」

「まぁ……そんなとこ」

図星か。

「あと! 泣かせたでしょ!」

さすが女子。男子のようにはいかない。

「違うって。昼休みに、ちょっとキツイこと言ったから謝ってたの」

男子に言ったこととツジツマを合わせた。というか、同じ言葉で返した。

が! そこで引き下がらないのが女子。

「キツイこと? 何、言ったのよ!」

ほら、来た。

「安藤さんがね、ぼ〜っとしてて俺の言ったこと聞いてなかったから、ちょっとカチンってきただけ」

「それだけ?」

「ああ」

「小さい男だね〜」

そう言われて良い気分はしなかったが、それも彼女のためと思うと文句も言う気にもならなかった。

 

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