裕三にとっては「ノーモア ウエンズデイ」だ。水曜日はともかく休日の津久井の襲撃はなんとしても避けたかった。
元来部屋に閉じこもっているのが苦手な裕三は、休日ともなると早めに洗濯仕事をやっつけると朝から十三あたりの繁華街に赴きパチンコに興じた後は、ヤクザ映画ばかり見ていた。「仁◯なき戦い」の菅◯文◯演じる主人公の広能の科白は諳じることができたくらいだ。
ヤサグレた感のある当時の十三界隈の映画館ではヤクザ映画か日動ロマンポルノ以外の映画を上映していた記憶がない。
映画を見た後はなぜか肩で風切るように闊歩し、安酒をひっかけて門限ぎりぎりに忍び足で独身寮のせんべい布団にもぐりこむのが休日のお決まりのコースであった。
夢と希望に溢れた新入社員らしくない、毎週月曜日がブラックマンデーの裕三は鉛のような身体で茶色の阪急電車にゆられ、サラリーマンやOLでごった返す梅田で乗り換え、本町の支店に痛勤していたが、こんな日常が定年まで続くのかと気が遠くなる思いであった。
配属先の大阪支店営業一課はバリバリの体育会系の面々で、共◯党の不◯哲◯ そっくりの風貌の関◯学院大学自動車部出身の課長を筆頭に、上司は裕三の大学剣道部出身者で、もう一人の上司も鹿◯島大学ラグビー部出身者であった。
営業目標数字の達成が至上命令で、目標達成に日々悪戦苦闘しながらも邁進する、さながら運動部のようであった。
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