メイン大学心理学教授でJournal of Mind and Behavior(心と行動ジャーナル)の編集者、レイモンド・ラス教授は「この仮説に本誌の査読者たちは眉を顰(ひそ)めたに違いない。しかし統計的な処理は厳正であり、仮説を裏付ける数字が出ている」と言う。

原点

多くの科学的発見と同じく、この発見も大部分は一人の活動から始まっている。西欧社会では今や広く知られた人物、マハリシ・マヘーシュ・ヨーギーは今から50年ほど前(1958年)、瞑想は科学的なものであり、人への実証可能な効果があると科学界に説明するためにインドを発った。

1980年までにはマハリシの超越瞑想法に関する数百の研究が学術雑誌に掲載されており、瞑想は正統な医療の地位に達していた。今でもこの超越瞑想についての研究が、米国国立衛生研究所の研究基金から何百万ドルもの援助を受けて進められている。

さらに、この20年でマハリシの注力分野は、単独での瞑想と個人レベルの恩恵から、大規模な集団での瞑想と社会規模の恩恵へと広がっている。1960年の時点では、健康と幸せな人生を得る実践的な手段として瞑想を捉える人はほとんどいなかったが、その後の研究によって世間の医学的理解は一変した。

1980年以降の構図もそれと似ていて、瞑想者の大規模なグループが世界平和を実現できると考える人はまだいない。しかし、研究結果は学術誌に載っており、テロリストは我々の国境の内側にいる。科学的根拠を取り上げて議論するのに今ほど良いタイミングはもう訪れないだろう。

 

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