カイザーの号令で、戦闘班が動き出す。2名がトンネル内の天井に設置した小型センサーを確認する。このセンサーは車列が通過するタイミングで煙幕を自動展開する仕掛けだった。

「全員、最終確認だ」カイザーがチーム全体に呼びかける。「目標を無傷で確保し、最短で脱出すること。コンテナが損傷した場合のリスクを忘れるな。妨害時間は5分以内だ。5分を超えれば警備部隊が駆けつける」

全員が無言で頷き、通信機のスイッチを入れた。互いの呼吸が無線の中に微かに混ざり合い、緊張感が一層高まる。

「目標まであと2分」

リリーの冷静な声が響く中、カイザーは最後の指示を出した。「作戦を開始する。全員、 配置完了次第、静かに待機」

トラックのエンジン音が徐々に近づいてくる。遠くから聞こえるその音は、山間部の静寂を破るように小さな振動を伴っていた。襲撃チーム全員が闇に溶け込むように身を潜め、狙いを定める時間を待っていた――。

夜中、その場面はまるで時計仕掛けの歯車が一つ一つ噛み合うような正確さで進行していた。どんな些細なミスも、これほど危険な作業では致命的な結果をもたらすだろう。しかし、現場にはそのような緊張の中にある独特の秩序が息づいていた。

トラックが港を離れると、駆逐艦の甲板に再びクレーンの音が響き、次のトマホークミサイルの移送が始まるのだった。

 

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