【前回の記事を読む】「搬送準備完了だ」24時30分、トマホーク巡航ミサイルが積まれた輸送トラックが護衛車両に挟まれて静かに進み出し…

第一章 トマホーク強奪と裏切り

一方、襲撃チーム

深夜、港から国道沿いの山間部を、迷彩塗装の自衛隊輸送トラックが静かに走行していた。後部にはトマホーク巡航ミサイルの筒型コンテナが厳重に固定され、その危険な中身を守るため、2台の軽装甲機動車が前後を固めていた。道路脇には木々が鬱蒼と茂り、闇の中に隠れるには絶好の環境だ。

車列がトンネルに入った瞬間、それは始まった。

襲撃

トンネル:25時45分

夜の静寂が、輸送車列のエンジン音によって切り裂かれた。車列はトラックを中央に挟み、前後を護衛の軽装甲機動車が守っている。トンネルの中では、壁面の薄暗い蛍光灯がリズミカルに車列を照らし、タイヤの音が反響していた。

その瞬間、トンネルの中程で前方の蛍光灯が次々と消えていった。

「照明が落ちたぞ!」護衛車両のドライバーが無線で報告する。だが次の瞬間、通信はノイズにかき消された。

トラックの運転手も、車両のラジオが突然沈黙したことに気づく。「無線が繋がらない!」焦りの声を上げたが、その言葉が終わる前に、トンネル全体が煙で包まれた。天井に設置された小型カートリッジから、分厚い煙幕が瞬時に噴射されたのだ。

突如としてトンネル内部の照明が全て消え、真っ暗闇に包まれる。同時に、耳障りな爆音と共に襲撃者グループの一人が前方の軽装甲機動車に向かってRPGを発射する。軽装甲機動車が炎に包まれ、トラックは急ブレーキをかける。

後方の軽装甲機動車も停止せざるを得ず、そこに後方からRPGが発射されて火だるまになり、狭いトンネル内で車列は完全に動きを封じられた。

「襲撃だ!」トラックの運転手が叫ぶと同時に、武装した自衛隊員がドアを開けて飛び出した。しかし、その先で待ち構えていたのは、黒い戦闘服に身を包んだ襲撃者たちだった。暗視ゴーグルを装備した彼らは、正確に動き、音もなく自衛隊員を一人ずつ制圧していく。

煙幕が視界を遮る中、トラックの左右から二人の襲撃者が素早く接近する。

「電波妨害装起動確認。目標車両、通信遮断完了」リリーの声が無線に響く。