コロナ禍で入場制限もあり、限られた役員、スタッフしか来場できないうえ、声を出して応援することはできない。わかっていても、劣勢から1点、また1点と返すたび、抑えようとしても声が出た。

行け!

祈りと願いが通じたのか、8巡目で見延に代わって投入された宇山賢が巻き返し、アンカーの加納へ。抜群の勝負強さと度胸を買われ、最年少でアンカーに抜擢された加納がその期待に応え、連続してポイントを叩き出し、鮮やかな大逆転勝利。

続く準々決勝では世界ランク1位(五輪当時)のフランスを相手に一本勝負を制し、準決勝進出。韓国を打破し、ROCとの決勝。崖っぷちから這い上がった強さを見せつけるかのように、初戦の苦戦など微塵も感じさせない強さを発揮する。

相手の攻撃をかわし、最後の45点目を加納がもぎ取った瞬間、歓喜に沸く選手たちを遠目で見ながら、齊田は心の底から安堵した。

 

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