私はどこへ行くんだろう、どこに行きたいんだろう。たとえ、流れ星が今スーッと流れてきても、お願いごとは見つからない気がする。今の私は、不満や不安や不純な気持ちでいっぱいで、純粋にお願いごとをする権利などなさそうだ。だいたい叶えてほしいものなど、今日を終えた私にあるんだろうか。

……今はないみたいだ。よくわからない。答えの出ないものを、今考える必要はない。家に帰ろう。子どもたちが、「おかえりなさい」って飛び出してきてくれるだろう。

5 新しい年

2019年である。今年も年神様をお迎えできた。毎年恒例の干支十干に目を通す。今年の干支は「己亥(つちのと・い)」。「己」は真っ盛りを迎えた明るい中天の太陽、植物に例えると草木が成長を終えて姿が整った状態だそうである。「亥」は暗闇の新月を象徴、植物に例えれば葉っぱも花も散ってしまい、種に生命を引き継いだ状態とのこと。

さて、そんな風に干支と十干が相反する今年、それではどうするべきかを考える。うーん、難しい。人口減少、価値観の多様化、そして働き方改革。人材に関わる生業(なりわい) に求められることは、時代に合わせた個人と企業のニーズに応えることだろう。未熟を自覚して、がむしゃらに力をつける努力を惜しまないことは大前提である。

そんなことを考えながら、気難しい表情のまま空を見上げる。風が強いせいか雲はなく、ソーダ色したきれいな空である。