この事例では、西田さんは怪文書自体よりも、怪文書が出されても、自分を守ってくれない上司や同じグループの部長たちの対応に落胆しています。

つまり、いざというとき、自分を守ってくれるような人物をつくっておくことが大切だといえます。西田さんの場合ですと、例えば、上司のA部長が「こんな文書が出回っているが、俺は西田君を信頼しているから、一切気にするな。何があっても俺は君の味方だ」と一言いってくれれば、あんなに苦しまずにすんだことでしょう。

人間は誰しも面倒に巻き込まれたくありません。まして、その面倒が他人のこととなると、自分の身を挺しても、その人を守ってやろうという人間を見つけることは極めて困難だと思います。しかし、そのような人物や仲間をつくるように、普段から努力しておくことが必要でしょう。

また、そのような怪文書は相手にしないといった態度も有効です。とは言っても、実際にこのような文書を回覧されたら、誰しも、はらわたが煮えくり返るような怒りを感じるのが普通だと思います。

しかし、その怒りをぶつけるべき相手は、巧妙に隠れていて、姿を現さないのです。あなたが怒り狂うのを陰で見て、喜んでいるわけです。つまり、あなたが怒れば怒るほど、隠れた相手を喜ばすだけなのです。怒る気持ちはわかりますが、こんな卑劣な人間を相手にしても仕方がないと考えて、「柳に風」と事態を軽く受け流してしまうことも必要になるのです。

「仲間割れ」のゲームの対処法

自分の味方をつくっておく。あなたが、怒れば怒るほど、隠れた相手を喜ばすだけである。

だから、ゲームを仕掛けた連中を相手にしない。

次回更新は11月3日(月)、8時の予定です。

 

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