【前回の記事を読む】「今後、○○が関与する仕事には一切協力しない」——陰で、自分の名前が書かれた文書が回覧されていた
どのように解決したらよいのか
さて、この【事例4】は、「仲間割れ」というゲームが行われたものです。
「仲間割れ」のゲームというのは、「Aさんが課長に昇進できたのは、部長にお中元として高価な品物を送ったかららしい」といった、同僚(仲間)に関する気になる話をそれとなく会社のなかに流して、それによってトラブルを引き起こすというものです。
このような話を流すと、あとは自然に尾ひれがついて話が大きくなっていき、また勝手にどんどん広まっていくことになります。
このゲームでは、自分は話を流すだけで、あとは勝手に話が広がり、自然にさまざまなトラブルを発生させることができます。すなわち、自分は常に批判にさらされない安全な場所にいて、標的を攻撃することができるという点が、このゲームの大きな特徴なのです。
この事例では、首謀者は詳細設計グループの誰かだろうとは予想できますが、では誰なのかは絶対にわかりません。西田さんの何が気に入らないのかが書かれていれば、ある程度の予想はつくのですが、首謀者は巧妙で、それも書いていません。このため、書いた人間が絶対にわからないように仕組まれています。
このゲームは、軽い嫉妬心で男女の仲にトラブルの種をまくといったものから、この事例のように極めて陰湿なものまで含まれているのが特徴なのです。残念ながら、このゲームを仕掛けられないようにする手段はありません。
相手が誰かがわかれば対応の仕様があるのですが、このゲームでは相手がわからないケースがほとんどなのです。そのため、ゲームを仕掛けられた後の対応が大切になります。