キスされた時、ほんの一瞬目を閉じた事、翌月曜日に電話が来た事。ちゃんと二度と連絡しないでと言ったんだ。ごめん。黙っていて……ふぅ~。言えて良かった。安心した」と。

私は笑ってしまった。丈哉さんって、本当に真面目だ。

「ねぇ、私達夫婦ってさぁ、凄いね。だって、丈哉さんの前の奥さん、私の前の人、今回の同窓会の件……」

丈哉さん、息を呑んでいる。

「凄く、モテるんだね。ウフフフフ」と言ったら、ズッコケている。

「丈哉さんの前の奥さん、私の前の人、今回の同窓会の件……」と香子が言った後、次の言葉が、不安だった。

「私達って、モテるんだね」と言った時、ズッコケるやら、安心するやら、隠さずに話して良かったと思った。

何と、可愛い香子だ! 大声で叫びたい。愛していると。

「香子、お願いがある!」

「何?」

「悪いけど、スットッキングを膝まで下ろしてほしい」

「エッ、何で!」

「今直ぐ、触りたい。君の太ももを!」

「あと、三十分で家に着くよ」

「待てない。今直ぐ、触りたい!」

「ええー、外から見えるんじゃない?」

「大丈夫、見えない。ショールで隠して、下ろして!」