父はすっかり元気になり、母に甘えている。可笑しいぐらい。

「父さん、幸也から聞いていると思うが、来週から、僕は監査役として出社する。幸也をサポートするから、安心して」

父は泣いている。肩を震わすぐらいに。こんな父を見たのは初めてだ。

「丈哉、ありがとう。幸也も心強いだろう。僕も安心して、母さんに甘えられるよ」

本当に、安堵の表情をしている。

「ああ~、うんと甘えて。母さんがうんざりするぐらいにね。アハハハハ」

三階堂は、複合機を販売する会社だ。僕は、コピー機ぐらいしか知らない。出社する前に少しは知識を頭に入れなくては。

メーカー名、種類、販売内容。ネットで見ると、複写機は書類の写真を撮っているんだ。

写しが綺麗で、画質がいいんだ。あまり余計な知識は入れないで置いた方がいいような気がする。会社でプレゼンを見よう。

 

月曜日、八時に出社した。常務が迎えてくれた。

「おはようございます。よろしくお願いいたします」会議室へ向かった。

全役員が、待っていた。

「おはようございます。今日から、社長のサポートの監査役として、お世話になります。山岡丈哉と申します」と席に着いた。

次回更新は10月12日(日)、22時の予定です。

 

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