【前回の記事を読む】「会いたかった!愛しているよ」——出張先にサプライズで来てくれた妻。僕は嬉しくて抱きしめて、キスをして…
第四章 不運が招いた縁
東京に着いて、そこで解散です。お土産を、実家、幸也の所に持っていった。
ジョー君が、
「丈パパ、出張に行くなら、ちゃんと連絡してよ。僕は宝物でしょう」と、嬉しい事を言っている。
「ジョーが好きな和菓子を買ってきたヨ」
「今回は、許してあげるね。美味しそう!」と、機嫌が治った。四時頃、帰宅。
毎日、忙しさと幸せが過ぎていく。
丈哉さん、還暦になる。若い六十歳だ。
幸也から電話。
「どうした。珍しいな?」
「兄貴! 今、会議中に親父が倒れて、今、病院に着いた。命には別状ないようだ。軽い脳梗塞らしい。連絡が早かったので幸いした」
「どこの病院だ!」
「兄貴が入院していた中央病院だ。母も病院に向かっている」
「分かった。直ぐ行く!」社長も側に居た。
「社長、父が倒れたそうです。軽い脳梗塞だと。病院に行ってきます。高木、山田さんへ」
「はい。連絡済みです。直ぐ向かいましょう」と急ぎ向かった。車中から香子に電話。
「前から少し元気が無かったなぁ。早く気が付いていれば良かった」と悔やんでいる。
「そろそろ考えなくてはいけないなぁ」と言ったきり、ずっと黙っている。