【前回の記事を読む】実家住み、孤独な中年男。有給をキャストのリンちゃんに捧げる! カレンダーには「リンちゃん」と書きこみ…

第4章 誰かと一緒に生きていくとは?

第25話
屍を越えて行け!! あー夏休み

片手に差し入れ。

心に花束。

唇にマウスウォッシュ。

身体にオシャレ着を!!

その男は吉原で出会った癖のある女の子リンちゃんに再び会うために自分なりのベストを尽くそうと考えられるすべてのことを実行に移していきます。

あとは訪問の日程を決めるのみ!!

 

その男「あ! 今度、浴衣コスプレイベントやるらしいですよ!」

キタロウ「あら! いいですねぇ!!」

通常でも1000円さえ支払えば、いつでも持ち込みの衣装を着てくれるそのお店。

しかし8月の期間中は追加料金なしでキャストさんの浴衣姿を拝めるようです。

(いいなぁ……)

目の前に浴衣を着て現れるリンちゃんを頭に浮かべて思わずニンマリするその男。

うっかり歴代の好きだった女の子達の顔も同時に思い出してしまいます。

我ながら辛い思い出ばかりです。

結婚したとかSNSをブロックされたとか色々ありましたが今やどの顔にも会うことはできません。
 
(死んだんだな)

その男は自分をフッた女の子達は全員、死んだと思うことにしています。