吉田ホールディングス。

「おはよう」

「あっ! 副社長、今日から出勤ですか」

「ああ、よろしく!」

嬉しい。

社長、圭専務、松田常務が来た。

「社長、長い間、すみませんでした。復帰できて嬉しいです」

「おおー、良かった。副社長、来月からスケジュールが埋まっているよ。頼むよ」

「ん、来月からスケジュールが埋まっているとは……」

高木を見た。笑っている。何だろう。

「無理せず、今月はゆっくりしなさい。香子さんは元気か」

「ええ、毎日一緒で幸せでした。また、愛が大きくなりました」

「副社長、言ってくれるな~。アハハハハ」帰っていった。

「専務、留守の間、ありがとう。完璧に、こなせていたようだな」

「副社長のようには出来ません。ホッとしています。足は痛くないですか」

「僕さ、トレーニングで筋肉が付いたんだよ。香子が惚れ直していたんだ」

「副社長、香子愛が止まらないね。アハハハハ」圭が笑っている。良かった。部屋に戻った。

「高木、社長が話していたスケジュールが埋まっているとは何の事だ?」

「実は、三十社から、講演依頼が殺到しているのです」

「誰に?」

「副社長にです」

「はぁ~ん。何で!」

「会社愛ですかね」

「何だ、それ! 香子愛なら分かるが……」

高木、ずっこけている。

「社長が受けていいとおっしゃっているので、調整しています」