【前回の記事を読む】手術後、目が覚めた夫。痛みに耐えている姿を見ているのが辛かった。私は手を握って励ますことしかできず…

第四章 不運が招いた縁

リハビリが始まった。一日三回。頑張れ。

みるみるうちに、歩けるようになり、屈伸運動も出来るようになった。

いよいよ、明日は退院だ。

「高橋、本当にありがとう。一週間後に診察に来るよ」

「ああ~、家でうんと奥さんに甘えろよ」

一か月ぶりに、家に帰ってきた。

「ああ~、嬉しい。香子」と抱きついて、熱いキス。長いキス。

「上がりましょう。よく頑張りました。お帰りなさい」

優しく胸で抱きしめた。

「ただいま」と言って、ブラウスのボタンを外している。

「ああ~、久しぶり。いい匂いだ」と触っている。吸っている。一安心だ。

しばらくすると、高木さんに連絡している。明後日から出勤するらしい。調整をしている様子。

今日はお昼を済ませたら、太郎と花ちゃんと散歩で一時間も歩いた。

「足、大丈夫?」

「ああ~、痛くないよ。いい運動だ」

帰ったら、足をマッサージした。

「気持ちいいよ」十分したら、寝ている。少し疲れたかな。

朝からトレーニングしている。何か、上半身が大きくなっているようだ。素敵。

食事もモリモリ食べている。

今日から出勤だ。

「山田さん、おはようございます。よろしくお願いいたします。お荷物になりますが」とおはぎを持たせた。

元気に出勤した。ホッとした。日常ってこんなに幸せなんだと思った。