「圭、二度と犠牲という言葉を使うな! 僕は犠牲になったんじゃない! 君を守れたんだ。名誉の負傷だ。圭がケガしていたら、僕は一生後悔していただろう。
自分を責めていただろう。側に居て守ってやれなかったと。本当に良かった。傷が治っても、その傷を見ながら、ニタニタして、美味しいお酒が飲めるんだ。愛おしい人を守れたんだから。いいな。約束だよ。
ただ……あの場面にいたのが会長か社長だったら、躊躇したと思う。何故なら、僕より歳食っているからな。アハハハハ」
全員、笑い泣きしている。本当に優しい丈哉さんだ。
「もう、そろそろ来るだろう。小さな怪獣が……あッ! 来た」
「丈パパ! 宝物のジョー君が来たよ」と入ってきて、抱きついている。
「あッ! 圭兄ちゃん?」圭君を見ている。
「そうだよ。圭お兄ちゃんだよ」と丈哉さん。
「丈パパがいつも話しているよ。何でも頑張り屋さんで、時には犬さんのうんちを踏んで泣いていたお話。僕以外に、もう一人の宝物が圭お兄ちゃんだって。会いたかったんだ」と圭君に抱きついている。
「ジョー君だね。お兄ちゃんも会いたかったよ」
「丈パパ、偉かったね。お兄ちゃんのケガを助けたんだね。よく頑張りましたね。はなまるだよ」
ジョー君、丈哉さんの側に来て、
「僕は、七歳のお兄ちゃんになるけど、丈パパをギューしてあげる。ご褒美だよ」
「おおー、嬉しい」とギューとしている。嬉しそう。皆、泣いたり、笑ったり、幸せ。
そして、香ちゃんから、何かを取っている。
「丈パパ、お手紙も書いてきたんだ。僕が帰ったら読んでね」としばらくいて、帰っていった。
ジョー君の手紙を読んで、泣いたり、笑ったり、大切に枕の下へ。
丈哉さん、嬉しそう。今日は、九時頃から、寝息を立てて寝ている。
次回更新は10月8日(水)、22時の予定です。
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