六時を過ぎても、手術が終わらない。

大丈夫だろうかと、震えてきそうだ。お母さん達も来た。お母さんの手を握った途端、震えだした。

「香子さん、大丈夫よ」とお母さんが背中を擦っている。

八時、手術中のランプが消えた。お医者さんが出てきた。

「無事、成功です。運の強い奴です」

あっ、高橋さんだ。

「奥さん、久しぶりですね。高橋です。神経も無事繋げました。大成功です」

「高橋さん、本当にありがとうございました」

安心したとたん、涙が頬を流れた。

「後は、リハビリです。頑張り屋の山岡だから、しっかりリハビリすれば大丈夫です。病室に戻りましたら、今後の事を話しに行きますね」

「ありがとうございました」

三十分後、病室に戻ってきた。麻酔が切れていないのか、寝ている。

直ぐに圭君、吉田社長、会長が来た。高木秘書、

「手術は大成功です!」

三人とも、安堵している。

「香子さん、心配させてすまなかった」と吉田社長。

「大丈夫です。手術は大成功です」

病室に高橋さんが来た。応急処置が良かったので、神経まで大丈夫だったと話されている。高木さん、ありがとう。

「明日から三日間、面会は来ない方がいいと思います。痛みとの戦いが始まります。山岡は我慢強いが、相当な痛みです。話すのもつらいです。ご遠慮ください。

土曜日あたりからは少し痛みが和らぐと思います。元気になったら、僕は何、言われるか分かりませんからね。学生時代から、口が悪かったですから。アハハハハ」

高橋さん、本当にありがとうございました。