すると、興味の対象が考古学から法学部や経済学部など、より難しい方にチャレンジすることへと変わってきたのです。

周りの留学生に刺激を受けたのも大きかったと思います。中国、韓国、香港、ベトナム、台湾、タヒチ、バングラデシュ、南アフリカなど、様々な国・地域から集う学生は、日本では見ることができないほど積極的で多様な考えを持ち、国・地域を代表して勉強する気概に満ちていました。

タヒチ出身の豊満な女子生徒からお家に招待され、中華料理をご馳走になった時のこと、バナナをご飯代わりにして食べることに驚くと、

「タヒチではこれが普通」と言われ「お前のうちだけじゃないのか?」と疑ってみたり、台湾出身の美しい生徒から「シェアハウスで一緒に生活しない?」と誘われドキドキしたり、香港出身のお姉さん達から「ねぇねぇ、エッチな日本語教えて。日本ってそういうの進んでいるでしょ」と言われ困惑したり、

様々な体験ができました。日本人であるというだけで結構信用されていたと思います。先人に感謝します。

こうして無事に経済学部に入学できたわけですが、入学してからが大変でした。まず住む場所を考えたとき、校内にある男子寮が便利だと思って申請したのですが、なんとテストがあるというのです。寮長と面談をするのですが、日本に一時帰国していたので電話面談となりました。寮長が

「うちの寮に入ることであなたは私たちに何を与えてくれますか?」

と聞いてきます。寮なんてご飯食べて寝る場所くらいにしか考えていなかったので焦りました。

「ええっとぉ、私が入寮することでジャパニーズカルチャーがエンジョイできますよ。何か不祥事を起こしたら腹切りとか土下座とかしますので」

何て適当なことを言ったら気に入ってもらい、無事に寮に入れました。「ウェルカム、腹切りボーイ」のでき上がり。イギリス文化の影響からか、夕食時に食堂に集まる際、ネクタイとアカデミックガウン着用、靴は革靴のこと、なんて決まりがありました。