「社長、決まりました」と握手。
「社長、会長に持たせた小説を読みましたか?」
「何の小説だ?」
「僕、ある小説のおまじないで、契約が次々と決まっています。偶然ではないと思います」
「それ、会長が持っているのか? 電話してみる。あっ、僕です。副社長から小説借りていますか? 直ぐ読みたいです。えっ、五回目読んでいる途中? だめです! 今日、取りに行きます。それまでに読み終わってください」
「僕、三回読みました」
「君が? めずらしいな」
「そうなんです。ドハマりです。女性の作家でユニークなんですが、感動しますよ」
「親父が五回目って言っていた。歴史物しか読まないのに。どんな小説なんだ。楽しみだ」
「高木君、社長秘書とゴールデン・ウイの日程調整よろしく」
「部屋に戻るか。くれぐれも香子さんによろしく伝えてくれ。ありがとうと、それと大好きだ、ともな」
「最後の言葉は余計です! 香子は僕のものです」
「副社長、変わったなぁ。君がのろけるのか。香子さんは凄いな」
幸也から電話だ。
「た、丈にぃ、香が、妊娠した!」
「おおー、そうか! 良かったな。父さん達には連絡したか?」
「これから、連絡する。丈にぃ達も、一緒に子育てするからね」
「へぇ、何?」
「四人の子供だからね。覚悟してね」
「言っている意味がよく分からない。明日にでも香子と行くからな。嬉しいな~。おめでとう。明日な!」と切った。幸也は何言っているのか分からない。
「ああ~、待っているよ」
「僕だ。香ちゃんが妊娠したそうだ。明日、行こうね」
何故か、ソワソワしている。タイミングよく、明日は土曜日だ。
次回更新は9月30日(火)、22時の予定です。
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