「アッ! 会社は?」

「大丈夫。お腹が痛いと嘘を言ってきた。ただ、高木は嘘と分かっている。最近、僕の心が見えるらしい。アハハハハ」

相変わらず、高木さんにお世話になっている副社長だ。高木秘書、山田さんは大変だろうな。

「苺大福作って、持たせますね」

「ああ、とても喜ぶよ。悪いが、社長の分も作ってね」

「社長も好きなの?」

「この間のおはぎの時もそうだったけど、子供みたいだよ」

「分かりました。たくさん作りますね。楽しみ~」

月曜日、爽やかな朝、いつものように山田さんがお迎えに来た。

「ご苦労様です。お荷物になりますが、これを」

袋の中身を説明した。

「こちらは山田さんのおやつ、奥様の分も入っています。よろしくお伝えください。こちらは高木さん、こちらは山岡、そして、こちらが社長の分です。お名前シール貼っています。お手数ですが、お願いいたします」

「自分の分もありがとうございます。家内が喜びます。嬉しいです。社長の分もあるのですね。甘い物、大好きですから。ありがとうございます」

「行ってくる」

「いってらっしゃいませ」

さぁ、お掃除を楽しもう。

次回更新は9月29日(月)、22時の予定です。

 

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