二人で楽しそうに作っている。僕は退屈だ。どうしよう。いつもなら、香子の太もも枕でいい気持ちの時間なのになぁ~。新聞も隅から隅まで読んだ。まだ十一時だ。

二人は笑いながら、楽しそうに、やっている。う~ん。そうだ! 幸也を呼ぼう。香子のご飯って言ったら、きっと飛んでくる。

「幸也、何している?」

「暇で、ゴロゴロしている」

「家に来ないかい? 香子がピザとパスタを作っているんだ」

「おおー。直ぐ、仕度していくからな」と慌ただしく電話を切っている。

よし、幸也が居ると退屈しないぞう。しめしめ。あいつは、香子の料理に弱いからな~。

三十分後、ピンポ~ン。

「あら、丈哉さん、寝ちゃっている。香ちゃん、私、今手が離せないのでお迎えしてくれるかな」

「は~い」

「やぁ~、香子さ……ん、ではないですね」

「はい、専務の部下で杉田と申します。どうぞ、お上がりください」

「はい、上がります。これ、コーラ」

「ピザと言えば、コーラですよね。嬉しいです」

キッチンから、

「幸也さん、いらしゃい。もう直ぐ出来るから座って、待っていてくださいね」

「おおー、楽しみです。寝ているの? 丈にぃ、誰!」

「ああ、杉田香っていって、会社の子。ほら、前に会社の女の子で、一人だけ僕の事、怖がらない子がいるって言っただろう。その子」

「可愛いなぁ~」

「ダメだよ。お前は手が早いからな。幸也、早めに帰れよ。頼むからな」

次回更新は9月24日(水)、22時の予定です。

 

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