第3章 人は変われるのか?
第14話
ついに潜入!!
ホスピタリティ抜群の下町人情!
偽名か? 本名か?
平会員(ひらかいいん)のその男にとっては予約するのも一苦労でしたが、同僚であるキタロウのアシストを受けつつ何とか予約することに成功します。
ついに念願だった吉原に上陸し、友人のバーバーに紹介されたお店の門をくぐるその男。
時は来た!!
お店に入り予約内容を確認するとすぐに会計になり、女の子からどんな風に呼ばれたいとか色々要望を記入できる用紙と番号札を渡され、待合室に案内される運びになりました。
(名前は「ヤクザ犬」で行くか……)
知り合いに会ったらなんとなく気まずい気もするので名前を「ヤクザ犬(上司の名前)」にしようかと思うその男。
しかし、プレイ中に上司の顔がチラつくのも嫌だなと思い直し、本名を記入することにします。
その男「(お金を出しながら)あ、それではこちらでお願いします」
男性スタッフ「ありがとうございます。それではこちらお中元になります」
その男「え! あ、ありがとうございます……」
お店の男性スタッフはお釣りを渡すと、少し重量感があるお中元をその男に渡します。
一人で一気にとても食べられる量ではありませんが、とんでもないセクハラ発言をしてしまう危険もあるので、うっかり職場に御裾分(おすそわ)けというわけにはいきません。
(しかし、さすが事情通のアイツが教えてくれた店はサービスがすごいなぁ)
以前は、車で駅まで送り迎えするサービスまであったそのお店。送迎車のサービスはなくなりましたが、相変わらずサービス満点です。
男性スタッフ「それでは番号札1番のお客様!!」
その男「あ、はい!」
男性スタッフ「お待たせ致しました!」
早めに準備ができたようで予約時間より前に案内してもらいカーテンの前に誘導されます。
ここ1 ヶ月毎日、日記を読んで密かに応援してきたあのリンちゃんが、カーテンの向こう側にいます。
その男は男性スタッフからの注意事項を聞くも、完全に上の空です。
男性スタッフ「それではお時間までごゆっくりどうぞ」
男性スタッフによってカーテンが開かれ、1人の女の子がその男の前に現れました。
つづく……。
次回更新は9月27日(土)、11時の予定です。
【イチオシ記事】その夜、彼女の中に入ったあとに僕は名前を呼んだ。小さな声で「嬉しい」と少し涙ぐんでいるようにも見えた...
【注目記事】右足を切断するしか、命をつなぐ方法はない。「代われるものなら母さんの足をあげたい」息子は、右足の切断を自ら決意した。