【前回の記事を読む】彼と一緒にお風呂に入って、そしていつもよりも早く寝室へ。それはそれは、いつもとはまた違う愛し方をしてくれて…
第二章 愛の試練
丈哉さんの会社。
山田さん、
「高木さん、専務の奥様から、おやつの差し入れです。社長、副社長の分もありますので、ご連絡してくださいね」
「嬉しい! 楽しみだ。山田さん、社長秘書たちに、連絡しますね」
仕事を片付けて、おやつの楽しみの時間が来た。
「高木君、おやつとお茶をお願い」
「はい、今、お持ちいたします」
「おおー、美味しそう。いただき……」
ドアが開いた。
「おおー、間に合った。おやつだ」
「これは僕の分です。副社長のもありますから」
「これは、妻にお土産だ」
一個、横取りされた。残念。
また、ドアが……。社長まで、来た……。
「間に合った!」
また、一個取られた。
残りの一個は、早く食べよう。
「香子さんのおはぎ、本当に美味いな。夜、妻と食べるのが楽しみだ。早く、帰ろう」と。
何か、凄く嬉しい。香子が褒められているようで。家に僕の分はあるかな。心配。早く、帰ろう。高木がお茶を持ってきた。
「ん、どうした?」
高木は笑いながら、
「奥様からのお預かりものです」と、お茶とおはぎ。
「ええー、嬉しい。さすが香子」と美味しく食べた。満足だ。
毎日、目まぐるしく動いて、太郎のお世話、散歩も楽しい。
「今週、お兄さんの銀行に行きたいけど、連絡取ってくれるかな」
「どうして?」
「ローンの返済の、借り換えしたい。敏明(としあき)さんに聞いて」
「分かりました。今、聞いてみるね」
「兄さん、丈哉さんがローン返済の、借り換えしたいそうなの。金曜日? 時間は? 二時? ちょっと待って、丈哉さん金曜日午後二時、どうですかって?」