安心できる場所を見つける
『もーいいk……まだだよ』
早く出してあげたいけどまだだ。もう少し待つんだ。
信号を3つほど、小さい踏切を1つ超えると見えてくる、家から大体15分くらいの距離に新しい人達と3年間過ごす場所がある。自分が通ったそこは女子はいなく、いや、いるがほとんどどいない工業系の男子校のような所だった。
門を入ると目の前にバスケットコートがあり、それを囲むように校舎がある。ここで吹く風は冷たかった。中学に比べて皆んなの精神年齢も大人になり、デブ、オタク、ブスなどに対してのいじめや激しいイジリはなかった。というより良いやつが多かった。
ここの高校が自分に最適な理由は3つあった。1つ目は何より近いこと。自転車で15分ほどで着く。周りが学校を出て駅まで歩くまでに家に着ける余裕が勝手に心地良かった。
2つ目は入りやすかったこと。勉強に一切力を入れてなかった自分にとっては偏差値が低くてそこまでハードルが高くなかったから。それに単願という面接や作文書くだけでほとんど何もない限りは入学できるチートのような方法を使った。
バカだった自分には勉強せず入れれば何でも良かったのでその方法が1番最適だったからだ。
ゲームで言うならばラスボスには挑まず、そこそこ勝てそうな中ボスに対して装備ガンガン付けて勝ったような感じだった。だから受験テストのような変なプレッシャーもなく簡単に入学できた。
3つ目はそこを希望してた友達が多かったこと。小、中と同じ友達で皆んな家も近く、話した事が多かったからいじめがめちゃくちゃ怖かった自分には心強かった。
そして皆んな、本当に良い奴。今まで1人も怒ってるところを見た事ない。それはただのお人よしや馬鹿とかではなくて、多分根から優しいんだと思う。自分にはそこまでできる自信はない。その頃から友達には本当に恵まれたと今も感じている。
アラサーになった今も時々飲みとかに誘ってくれたり、仲良くしてくれている人たちには感謝してる。
話を戻し、そんな理由でこの高校に入学した。
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