【前回の記事を読む】イジメられるのが怖かった中学。背も小さく、細くて、白くて、タレ眉で、カッコ良くない自分は…かわいがられるタイプだった

1章 中学・高校

強みと弱みを知る

サッカー部を辞めてから自分が入りたい部活は決まっていた。それは陸上部。

運動神経も悪い自分には手はおろか、足で球を使うようなスポーツは向いてなかった。勉強も苦手だった。

そんな自分が唯一、少し他の皆んなよりも優れてたと思うものが走りだった。昔から何となく走るのは速かった。体力もあった方だった。リレーの選手にもなったり、長距離も苦ではなかった。

シャトルランやってる時だけ唯一カッコ悪い自分が強さをアピールできるポイントで気持ち良かった。

自分は臆病なくせして人前ではカッコつけたく、目立ちたいタイプだ。他人の目ばかり意識して生きてきたから客観的に見て自分がどう思われてるか、見えているかは小さい頃から何となく分かる。

それが故俺はダサい、カッコよくは見えてないと断定してからは人の陰に隠れて生きるようになった。

人の前で感情を出すのがダサいと思ってた。というかどうせ理解してくれない人たちに素の感情なんか出しても無駄と思っていた。

カッコよくなりたい、そう思っても俺は調子に乗っちゃいけない、表に出て目立ってはいけないと思っていた。ネガティブな自分と周りの無関心から感じ取れるヘイトに似たようなものから勝手にそう決めつけていた。

自分が大嫌いなそういう自分のせいで、陸上もモチベーションが上がらずサボったりするようになって幽霊部員となった。何をやっても続かない、見える世界が白黒だった。

そんな世界でもたった一つ自分を認めてくれるような場所があった。それが家。部屋に戻れば好きな漫画、ゲーム、集めてたフィギュアやおもちゃしかなかった。

生まれた時からのアドバンテージがそれなりに一般家庭よりはお金を持ってた家庭で生まれたこと。お年玉も小さい頃からあり得ないくらいの量をもらって、欲しい物はなんでも祖母が買ってくれた。

今でもある某有名カードゲームのカードも1パック5枚ほどのパックではなく箱でボンとワンカートン買うのが自分の中では普通だった。そんな家だったこともあり、友達もわんさかあの小さな部屋に入って遊んでた。玄関に左右非対称な靴たちが散乱しているのが唯一のハイライトだった。