もし、今日的世界の本質をしっかり捉えることができなければ、経済・金融・企業経営は自ずと行き詰まり、いかに識見を深めようとも時代に適合したソリューションの出現は望めないと私は確信しています。
そこで本書では今日の時代状況にふさわしい新たな価値体系の追求に挑むことにしました。それをするに当たって便宜上のゴールとして注目したのが産業構造論の考え方です。従来型の産業構造論では昨今のグローバル経済の状況を的確に把握することはできません。
さりとて、その基本的な考え方が全面的に陳腐化しているというわけでもなさそうです。本書では古典的な産業構造理論の参照を起点として、今日のグローバル経済を十分に説明可能な新たな産業構造モデルの構築を試みます。
それにはまず情報というものが持つ光と影とは何かを明らかにし、「ヒト」という集合体に遭遇するたびに情報を観測する「ヒト」の心や意識、「ヒト」の理念や恣意といったものが量子理論を伴って組み込まれ変化を繰り返すという情報というものの性質に着目をしました。
まるでさなぎが蝶へ、オタマジャクシが蛙へと変態を遂げるかのように、単なる情報であったものがいつの間にか姿を変えて既成の真実へと変態していくように今日のグローバル化という概念は創発的関係性をはらんでいます。
しかしそれにはある法則性があり、その基本となる法則を効率化の決定法則である「イマジノリ理論」(究極感性)であると結論づけました。そこで本書は、その創発的関係性を生むメカニズムの解明から一考を傾けることにします。
本書では、第1章「新産業文明論」Ⅰ(産業分類の歴史と現状の課題)で産業構造に関するこれまでの主な諸説についてその概略を簡単に説明します。
第2章「新産業文明論」Ⅱ(その背景にあるもの)では、ぺティー・クラークの産業構造理論の考え方を、自己理論展開へのガイド理論として参照し、本書で提唱する「新産業文明論」の要である新産業M分類法則を定義しました。また、その背景にあるものでは、日本の文化や経済・教育・コミュニケ―ションなどのさまざまな分野でイマジノリが決定する効率化法則事例を取り上げてみました。
次いで第3章「新産業文明論」Ⅲ(産業ポンプ構造〈産業心臓〉理論と第4次元産業の勃興)では、新産業構造を予測する「効率化の決定構造とその決定法則」の概念を導入しました。
また第4章「新産業文明論」Ⅳ(産業ポンプ構造理論)では、私の唱える「新産業構造M理論」の基本構造である産業ポンプ構造(産業心臓)理論と新たな第4次元産業の勃興の全体構図を明らかにしていきます。
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