幸運の二つ目は、入院した病院が第2種感染症指定医療機関であったということである。
「まさか、うちにというのがまず第一番の印象でした」と井關(いせき)治和前院長は当時の様子を語っている。
「ちょうどその朝、毎朝職員に出す〝病院長メッセージ〟で新型コロナウイルスへの注意喚起を出したばかりだったので、同ウイルスに対する警戒は当然していたが、新型コロナウイルスに対する感染症への対応方針は当時全く定められておらず、診断方法さえなかった。その中で相談した保健所からの連絡は『新型コロナウイルスへの扱いは感染症法ではまだ定まっておらず、その対応は病院のご判断を尊重したい』というものであった」という。
患者はⅩ線検査の結果、肺炎と診断され、直ちに医師の判断で入院のうえ、治療を行うこととなった。
前院長は新型コロナウイルスによる感染症を2類相当の感染症と位置付け、長年使われていなかった感染症病棟で治療を行うことを決断したという。
患者は明確なゾーニングが行われた感染症病棟にある陰圧室(病原菌が病棟内に漏れないように、病室内を陰圧にして病原菌を病棟外に誘導する装置の備わった部屋)に入室し、訓練を受けた感染症病棟のスタッフがPPE(手袋、N95マスク、ゴーグル、フェイスガード、感染防御衣からなる感染防御セット)を装着して感染防御を行いながら治療を行った。
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