ルシフェルたちが宮殿に着くと、外壁に使われている石が陽の光を反射して眩いばかりの美しみやびさを見せている。宮殿内の壁という壁には飾り細工の雅な模様が施され、床には大理石が敷きつめられていた。大きな窓からは庭園が見え、庭園の先には青い海が広がっていた。

ルシフェルはその眺めがすっかり気に入った。

ガブリエルの先導でルシフェルとミカエルは広間に通された。目の前の大きなテーブルには海つどの幸や山の幸が所狭しと並べられている。天使と女神たちが続々と広間に集ってきた。

二人が席に着くと小天使たちが音楽を奏で、歓迎の宴(うたげ)が始まった。女神たちが果実酒や珍しい食べ物を次々に運んできた。

すでにほろ酔い加減のガブリエルが大きな声で歌い始めた。

「兄さん! この地球はほんとにすばらしい所ですね」

「そうだな。我らが棲む天界に似てはいるが、それ以上にすばらしい」

おどけているガブリエルを横目に見ながらミカエルが言った。

「宴も最高だし、この果実酒もおいしい。忘れられない味だ。そうだ、ラジエル! ここで見たこと、聞いたこと、感じたことすべて記して後世に残そうではないか!」

「ミカエル、それはいい考えだ。我ら兄弟のこと、仲間たちのこと、地球のこと、神のこと、ラジエルならすばらしい書となるであろう。是非ともそう願う」

「承知しました。実は私もこの地球にとても興味を持っております」

「先ほど〝すべて〟と言ったが、ガブリエルのことは書かなくてもよいぞ!」

ミカエルがおどけて釘を刺すと、そばにいた天使や女神たちがドッと笑った。楽しい時間が過ぎていった。

 

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