模範試合を実施した最初に対戦した相手は、私より年上であった。審判の「始め」という合図で試合が開始された。
持ち時間は五分間、試合開始から二分過ぎにチャンスが訪れた。組み手争いから相手の右手の袖を素早く掴み、相手を牽制した。
そして、相手の左襟を掴み、内股から小外刈りで相手の体勢を崩してから、変則の背負い投げを掛けた。主審から「一本」と大きな声で判定を受けた。次の対戦相手との試合の間、内掛けから、体落としか大腰で決めようと戦法を考えた。
主審の「始め」の合図から試合が開始された。三分過ぎに組み手争いから相手の右手の袖を素早く掴み、相手を引き寄せて牽制しながら、内掛けから相手の体勢を崩した。その時、対戦相手の姿勢を下げてから左襟を掴み、持ち上げて左袖を引きながら相手の膝が私の右足に乗るようにして、左袖を下に引いて体落としを掛けた。主審から「一本」と大きな声で判定を受けた。
三人目の対戦は、相手が私より体格が良かった。苦戦したが持ち時間の五分間で決着が付かず、引き分けとなった。
模範試合は、三名と対戦して、二名には一本勝ちし、一名は引き分けだった。形の試験は、無難にこなした。その結果、審査会では合格の判定により、初段になった。
その翌日、私は有頂天になっており、校庭を部活でランニングした際、陸上部が円盤投げを練習するエリアに侵入してしまった。エリア内では、陸上部の二年生が円盤投げの準備を始めていた。
顧問の教師は、円盤投げをする姿勢を確認している最中で、私が投擲 (とうてき)エリアに侵入することを確認することができなかった。
そして、二年生が円盤を投げると、円盤は回転しながら私の頭部に向かって飛んできた。顧問の教師は、円盤が私の後頭部を直撃すると思い、咄嗟に「危ない。止まれ!」と大声で叫んだ。
私がその叫び声に反応して、ランニングを止めて立ち止まった瞬間、後頭部に円盤が直撃した。
【イチオシ記事】帰ろうとすると「ダメだ。もう僕の物だ」――キスで唇をふさがれ終電にも間に合わずそのまま…
【注目記事】壊滅的な被害が予想される東京直下型地震。関東大震災以降100年近く、都内では震度6弱以上の地震は発生していないが...