1‐2 大腸カメラは新たなステージへ、足台付き内視鏡ストレッチャー

内視鏡分野で世界に進出している日本の大企業はたくさんあり、著者も内視鏡専門医療機関の医師として内視鏡の最先端分野の開発に関わっている一人です。私の強みは現場の困り事、手間、ストレス、苦痛を知っていることでした。

患者さんと介助者と検査医にとっての安心・安全・安楽な大腸内視鏡検査の環境作りのために、これまで内視鏡関連医療機器を開発し、普及する活動を行ってきました。大腸がんを早期発見して、皆さんとご家族の健康を将来にわたって守ることが私にできる医療社会貢献であり、使命だと思っていたからです。

内視鏡医は集中して検査を行い、見落としをせず正確に診断し、治療や手術を確実に行わなければなりません。また、これに加えて介助者とも助け合い、患者さんの苦痛にも気を遣って、安心・安全・安楽に検査や手術を行い、検査中だけでなく検査の前後にも気配りできることが必要です。

優れた内視鏡医とは、患者さんの抱える合併症や家族構成を把握し、患者さんの社会生活にも配慮が及ぶように考えて最善の治療を選択し、チームで取り組むことのできる人のことだと思います。

この、優れた内視鏡医を増やすためには、最新・最高の医療機器を知って使ってもらうことが必要不可欠です。そこで、アメリカで開催されたDDW(消化器内科の分野で世界で最も大きな学会)で発表し、海外でも好評を得て商品化が実現した医療機器を紹介します。

「足台付き内視鏡ストレッチャー(内視鏡用電動カイザーTB‒1527、垂直電動MFWタイプTB‒1283)」(株式会社高田ベッド製作所製)は、今後10年20年先には、大腸カメラを行う施設の内視鏡設備がすべてこれに置き換わるであろう革新的な発明品と自負しているものです。

通常の検査用ベッドとの違いは、仰向けになる患者さんの下腿を載せるための足台を取り付けることができることです。

大腸カメラはカメラの挿入をしやすくするために、患者さんの体位変換を何度も行います。初めは左側臥位〈図3〉から始め、途中ほぼ必ず仰向けになります〈図4〉。空気や内容液や腸管を移動させて大腸カメラの挿入をしやすくするためです。

 

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