【前回記事を読む】「時代が違う、生ぬるい。」――私は高度成長期の新宿に生まれ、バブル期に仕事し遊んだ世代だ。そんな私が人生戦略を語っても…

プロローグ なぜ「生抜力®」なのか

生抜塾

2022年12月23日 星空のつくば市某所

クリスマスイブイブの夕暮れ時、数台のバンやSUVから手際よく運び出されたテントとタープが、我が家の450坪(広いです!)の庭に整然と計4棟がはられている。

(ベテランキャンパーの設営するテント設営は美しいのだ。そこには自然と対峙するための機能美を感じさせられる)

我が庭に訪れた4名のゲストの今日の寝床である。

薪が燃やされ、イノシシのリブが燻(いぶ)されながらいい色に焼けている。

その横には鹿肉団子入りのスープの鍋。

そして妻が自宅のキッチンで仕上げた〝鹿肉のロースト バルサミコソース添え〟が、並ぶ。

 

星がまたたきだした。

今日は私が立ち上げた膳Laboつくば株式会社の生抜塾キャンプのプレプレオープンの日である。晴れ男の私にふさわしく、星空が美しいキャンプ場開きとなった。

このつくば市内のまばらな住宅街に佇む、築30年の中古住宅を購入したのが、5年前。私が定年退職した年だった。

とにかく450坪の土地付き、が魅力だった。

だが、当時は450坪の庭でキャンプ場経営をする計画はなかった。庭の一角にラボ(厨房兼研究室)を建てて、薬膳カレーのフードトラックと体験型薬膳レストランを事業としようとしていたはずだった。