24日 第三十議会、第三次桂内閣が招集。
 ――この内閣は護憲討閥運動のやり玉にあげられ、院外では憲政擁護演説大会、全国記者大会など開催され、院内では政友会、国民党から内閣不信任案が提出されて尾崎行雄が舌鋒鋭く桂首相に詰めより、まさに討論採決に入らんとせるとき三度目の停会でむくいられた(『政治の事典』)。

  26日 政友会大演説会(明治座)における憲政擁護閥族打破の演説――「元老は須く政権を返上すべし」(尾崎行雄)。

この年、米価騰貴で下層民の生活困窮。

この年の出版:『戯曲我』 ―一幕物(森鷗外)・『死か芸術か』(若山牧水)・『世間知らず』武者小路実篤)・『自由劇場』(小山内薫)・『千曲川のスケッチ』(島崎藤村)・『かろきねたみ』(岡本かの子)

流行歌:春の小川・村の鍛冶屋・広瀬中佐・奈良丸くずし     りょうあん

流行語:殉死・大正屋・フュウザン会・友愛会・タクシー・蓄音機・諒闇不景気

映画:忠臣蔵(牧野省三監督)

参考資料:『大正NEWS年表』加藤迪男編、日本地域社会研究所2011/『明治大正図誌17巻 図説年表』筑摩書房1979/『現代日本文学大系』明治書院1965/『(実録)幕末・明治・大正の八十年』東洋文化協会2017/『日本人名辞典』三省堂1993/『日本史年表』岩波書店1990/『近現代史用語辞典』安岡昭男編、新人物往来社1992/『政治の事典』天野良和、富士書苑1955/『議会制度百年史 資料編』衆議院・参議院編、大蔵省印刷局1990


※1 鈴木文治:労働運動家。共済・修養機関的性格の強い友愛会を結成。同会は全国的労働者組織に発展、のち、日本労働総同盟と改称。

※2 フュウザン会:後期印象派の高村光太郎・岸田劉生らが文展系に対抗して結成。個性の尊重を唱えた。けやきのブログⅡ〈2013年9月21日 明治・大正期の洋画家、萬鉄五郎〉

※3 〈けやきのブログⅡ:2016年2月13日 明治・大正・昭和の映画俳優、上山草人(宮城県)〉

※4 交詢社:慶応出身の実業家を中心としたクラブで、ジャーナリストや政治家もいる。

 

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