「すかし野郎」と仲間達から多少笑われはしたけれど、彼らはドゥモの矢筒が自分達のそれよりも遥かに軽量なのを見て、なんとなく彼の腕前に見当がついたので、それ以上は何も言わなかった。

叔父はドゥモの決意を彼の口から直接聞いたわけではなかったけれども、若い狩人仲間達のように振る舞う気がないことや、

ただ一人で黙々と優雅なレッスン(スタンディング・ベアから言わせれば、甥が人知れず鍛錬している一本の矢で確実に獲物を仕留める方法は、最も美しい狩法なのだ)をしていることは察していて、心の中で甥に微笑した。

ドゥモを見ていると時々、亡き兄を思い出し、年甲斐もなく泣きたくなるのだった。

そんなドゥモだったから、ハイホースのように目立った功績を挙げることはなく、しかし一部の人間の心を十分に魅了して、日々を送っていた。彼が部族のなかでもっと多くの心を魅了するようになったのは、つい最近のことだ。

ある日、インベーダー達が何やら怪しい動きを始めているという知らせを持って、そう遠くないところにいる他の部族から使いがやってきた。

ドゥモ達の部族はひとまず今いる場所を離れて、西にいる同胞のもとを訪ねることにし、どんなことになっているのかもっと詳しく知るために、斥候 (せっこう)が遣わされることになった。ハイホースともう一人の青年がその任を仰せつかり、出掛けていった。

彼らが留守の間に、図らずもドゥモは自分の狩りの腕前をみんなに披露することになった。ハイホースともう一人の青年が仕留めていた分まで彼が仕留め、いつものように、一人一人が十分に食べられるだけの獲物を持って帰ってきたのだ。