【前回記事を読む】小規模多機能施設『日向ぼっこ』の日常を通じて知る"介護"。介護と向き合い、納得し、そして楽しもう
第1章 利用者さんとずっと一緒
お金は死ぬまで自分で管理
介護される人は、自分が介護される立場になると思っていませんので、体が不自由になっても、奥さんや子供に対して上から目線で接します。訪問介護を受けたり、デイサービスへ行く事を嫌がり家族を困らせます。
お嫁さんに対してはもっと強い態度に出ます。一生懸命介護をしても「うちの嫁は何もしてくれない」と平気で言います。一緒に住んでいない子供達が、それを聞きお嫁さんを責めます。
お嫁さんや世話をしている家族は、やがて介護に耐えられなくなり、施設に入所というお決まりのコースになります。昔の古い家制度はどこにも見当たりません。いつまでも嫁や子供が自分の介護をしてくれる、などと思うほうが間違っています。
高齢者や介護される人が、楽しく自分の家で暮らす方法はないものでしょうか。
誰も自分が一番かわいいものです。親や旦那の介護をしたいと思っている人はいません。お年寄りの皆さん、自分の事は自分でしましょう。そして介護してくれる人にいつも感謝の気持ちを持ちましょう。
「ありがとう」の一言で家族は介護を続けよう、という気持ちになります。そして、お金の管理をお忘れなく。お金を決して家族に預けたりしてはいけません。自分でお金を管理していれば皆優しくしてくれます。認知症になってもお金だけは手放してはいけません。
すぐ切れるおじさん達
人間年を取ってくると少しの事ですぐ切れやすくなります。コンビニで少し待たされただけでも、店のスタッフに食ってかかるおじさんなんか典型です。病院やクリニックでも、待ち時間が長い、医者の態度が悪い、看護師の点滴がへたくそなど、何にでもクレームをつけます。名前を呼ばず番号で呼んだだけでも怒る人がいます。
タカシ先生が勤めるクリニックでも、このようなおじさん達に悩ませられています。