店を居抜きで買ってくれた人はよし子より少し年上で、もっと商店街のはずれで店を開いているので、表通りに出られるのをとても喜んでいるそうだ。

「でも、男の人一人じゃ、やっぱり大変だから、手伝ってくれる女の人を探しているの」

「よし子が元気になったら手伝えばいい」

「男の人よ。孝さん、焼かないの?」

孝介はよし子を転がした。

焼きもちが焼けるくらい元気になってくれたらいい。よし子は耳元で、もう一回ねとささやきながら、孝介の股間に手を伸ばし、丁寧に指を動かした。それから口に含み、舌をゆっくりと這わせた。しっかり立ったのを確かめてから孝介の腹に股がった。孝介の腹の上で、丸い腰がゆっくりと揺れる。

「ああ、いいわ、いきそう……」

「いけよ」

「何回も、いきそうよ……」

「何回もいけ」

よし子の乳房が重たげに揺れる。

悶えるように体が動く。

「止まらない、溶けそう……」

孝介が体をしならせて突き上げる。

「孝さん!」

激しい喘ぎの中にひそやかな嘆きが交じっている。

「まだよ!」

死んでも良い……

次回更新は7月20日(日)、19時の予定です。

 

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