【前回記事を読む】「私、ここに自分のお墓を買ったの」と話し出す彼女。「身寄りがないから…ほんとはあなたのそばにいたいけど、許されないわ」扉が開いて、以前にも会ったことのある婦長が現れて「面会室」と書かれた部屋に案内された。向かい合わせの椅子があり、座るようにと手で示した。向かいに腰を下ろした婦長は、低い穏やかな声で話し始めた。年末の風邪の症状から高熱を出し、さまざまな治療が試みられたが、免疫力が…
[連載]いつか海の見える街へ[人気連載ピックアップ]
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小説『いつか海の見える街へ[人気連載ピックアップ]』【最終回】須賀 渚
彼女はひとりで逝ってしまった――。危篤になる前に「会いたい人はいないか」と看護師が聞いたそうだが、彼女は…
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小説『いつか海の見える街へ[人気連載ピックアップ]』【第18回】須賀 渚
「私、ここに自分のお墓を買ったの」と話し出す彼女。「身寄りがないから…ほんとはあなたのそばにいたいけど、許されないわ」
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小説『いつか海の見える街へ[人気連載ピックアップ]』【第17回】須賀 渚
「主人は田舎に帰りました」と伝えたら、彼は「あなたのことをもっと知らなくてはいけないな」と…
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小説『いつか海の見える街へ[人気連載ピックアップ]』【第16回】須賀 渚
薬指に指輪のある彼とまた食事。青いネクタイを見て「ブルーは奥様の趣味ですか。」と聞いてみたら、彼は予想外の返答を…
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小説『いつか海の見える街へ[人気連載ピックアップ]』【第15回】須賀 渚
「デートというわけではないですが…」と誘われた食事。でも、彼に見つめられただけで、胸から首の辺りがふわっと熱くなって…
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小説『いつか海の見える街へ[人気連載ピックアップ]』【第14回】須賀 渚
細い肩、すらりと伸びた脚。「女」の美しさを備えた少女がこちらに……その少女は、高校生になった自分の娘だった。
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小説『いつか海の見える街へ[人気連載ピックアップ]』【第13回】須賀 渚
俺は彼女を追うように田舎に帰った。家族を置いて…。妻や娘では、彼女が居なくなった穴は埋められない。
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小説『いつか海の見える街へ[人気連載ピックアップ]』【第12回】須賀 渚
「ねえ、もう一回して」ねだられて胃がギュッと固まった。彼女の中にもう一度入れるのか、子宮癌だと分かった彼女の体の中に…
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小説『いつか海の見える街へ[人気連載ピックアップ]』【第11回】須賀 渚
店を畳むという噂に足を運ぶと、「抱いて」と柔らかい体が絡んできて…
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小説『いつか海の見える街へ[人気連載ピックアップ]』【第10回】須賀 渚
彼の手を握ったその晩、布団の中で夫の手を探って比べてみた。夫のはゴツくて硬いけど、彼の手は温かく柔らかで、まるで…
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小説『いつか海の見える街へ[人気連載ピックアップ]』【第9回】須賀 渚
その客は他の店員には普通なのに、私に対しては、目が合うとうつむき、言葉を詰まらせる。どこかで会った気がするけれど…
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小説『いつか海の見える街へ[人気連載ピックアップ]』【第8回】須賀 渚
「そんなこと考えてると、村に居られなくなるよ」―篭を民芸品として売りたいとみんなで話していたら、トシさんがポツリと一言…
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小説『いつか海の見える街へ[人気連載ピックアップ]』【第7回】須賀 渚
「奥さんの気持ちが棘に乗り移ったんだなあ」――花の棘で怪我をした。その花を買った花屋は、彼の奥さんが働く花屋で…
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小説『いつか海の見える街へ[人気連載ピックアップ]』【第6回】須賀 渚
彼との幸せを願ってはいけない…想いを振り払った。なのに、振り返ると彼が立っていた、娘を連れて…
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小説『いつか海の見える街へ[人気連載ピックアップ]』【第5回】須賀 渚
振り向いた彼の胸に手を当てて背伸びし、唇を重ねた――2人きりの店内。妻子のある彼に…
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小説『いつか海の見える街へ[人気連載ピックアップ]』【第4回】須賀 渚
単身赴任中で、よく店に来ていた彼…そういえば彼が二階に上がったのはずいぶん前だった。噂では家族をこっちに呼んだとかで…
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小説『いつか海の見える街へ[人気連載ピックアップ]』【第3回】須賀 渚
単身赴任先の東京に帰ろうとする夫。東京には、妻子でさえ引き留められない何かがあるのだろうか。「行かないで」とは言えず…
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小説『いつか海の見える街へ[人気連載ピックアップ]』【第2回】須賀 渚
東京からの転校生が「江東区から来ました」と言った瞬間、少女が反応したワケ――(江東区…? もしかして、この子…)
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小説『いつか海の見える街へ[人気連載ピックアップ]』【新連載】須賀 渚
「奥さんへのお土産?」「いや、あんたにだ」――単身赴任中の男と居酒屋の女将が二人で縁日へ。男は、妻にではなく女将に…