一章 私の想い
息
生(なま)暖かいが やはり凍てつく冬の到来
土の中でじっと うずくまる幼虫たち
凍(こお)れる池に佇(たたず)む人の 息の白さと 緊張感
それでも きちんと芽吹いた 水仙の茎
あなたに 気づいて ほしい
寒さの中から 暖かさを
厳しさで包む やさしさを
くやしさの後の 信念を
そして苦しさを のりこえた 一つの道を
今 一番 あなたに 気づいてほしい
寝顔
木枯らしの吹く夜 あなたは何を夢みて
ほほえむのかしら
すこやかな寝顔で 私をやさしくする
子供たち あなた達の何倍も 生きてきたのに
何でも 知っているはずなのに
かなわない時が ある
土の暖かさや 虫たちの息づかい
風の冷たさ ほんとうに わかっているのは あなた達かもしれない
忘れてしまった 私達を ゆさぶりおこして ほしい時がある