・事業変革を成功させるステップ

変革の成功のためにはステップを踏むことが大切です。

1.変革体制:変革を進める体制を最初に作ります。リーダーも決めます。

2.現状認識:現状を認識し、評価し、問題点を洗い出します。ここでは、さらに危機意識の醸成、気づきなどが必要となります。

3.方法:話し合いの方法を周知し、定着させます。その結果として、改革の方向性が生まれます。

4.ビジョン:改革のビジョンと実現へのストーリーが必要です。できたあとは、周知徹底する作業が必要です。このビジョンの作成段階では、社員を巻き込みましょう。

5.実行:実行段階では小さな成功を積み重ねることも重視します。業務プロセスを選びその改革で成功することも効果的です。抵抗が生まれた場合は適切に対処する必要があります。

6.風土定着:改革体質の企業風土を定着させます。改革を繰り返します。

Ⅱ. 強い総務~企業変革のために

新型コロナを機にハンコ出社(押印のためだけの出社)への批判など強く新しい総務が求められています。従来の役割を改革することも必要ですが、新しい役割を与え企業変革を推進しましょう。

・従来型総務からの脱却

欧米では総務部は、バックオフィスのプロです。間接部門の中の経理、人事、システム、法務などに当てはまらない「残りものの仕事」のプロです。

日本の従来型総務は逆に足を引っ張る存在のこともありました。近年は全社に影響力の大きいことが見直され、プロ意識を持った「強い総務」「攻めの総務」「戦略総務」など、総務のあり方を変えようとする動きがあります。遅れがちな分野だけに、大きい改革の効果が期待されます。

・総務のチェックポイント

総務の問題点チェックポイントは次のとおりです。

1.業務を処理できればいいと思われていないか。

2.経営陣は総務に関心があるか。

3.非効率でも放置していないか。

4.総務が「処理してあげる」という立場になっていないか。

5. 気まぐれで好き嫌いがあり、社員を支配する「強い総務」

となっていないか。


◇ 用語解説

※1  QC工程表:製品の製造工程において、各工程の品質(Quality)管理(Control)を可視化した表です。誰がどのような方法で検査、チェックし、管理していくかなどを表します。

※2  5Mの変化点:5Mは、人(Man)、機械(Machine)、材料(Material)、方法(Method)、計測(Measurement)の5つを指し、これらの変更が品質に影響を与える可能性を考慮します。

※3  アンドン(行灯)方式:生産ラインの上部に設置されたランプ=行灯で、工程の進捗状況や異常発生の有無などを表示します。

※4 P DCA:Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)をサイクル化して繰り返し、改善や目標達成などに活用します。

※5  心理的安全性:職場で自分の意見を表現する際の安全性つまり安心感を指します。

 

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