はじめに
「経営を勉強したい」あるいは、「跡継ぎに経営を学ばせたい」と思い、経営に関する書籍を探すことがあると思います。しかし、なかなか実際に使えそうな本にめぐり合うことはなく、書籍やネットの山と格闘することになります。
また「会社を変革したい」と思い、改革を推進しても、社内の雰囲気が悪くなる一方ということもあります。理論と実践が結び付かないのです。
この本はそういう悩める皆さんのためにと思って書いた本です。筆者が、企業改革活動を行ったときにも悩まされました。その活動では、社員満足が先か顧客満足が先かをまず話し合いました。その結果「一人ひとりがお客様の笑顔のために」というメッセージを掲げました。
「社員の笑顔のサービスでお客様に笑顔になっていただき、社員も笑顔になる」という循環を目指したものです。改革には抵抗もありましたが、社員の納得感を大切に進め、共感を得ることができました。
その体験から社員を大切にすることの重要さに気づかされました。また理論的な裏付けの大切さと、それを実践するうえでの納得感・笑顔の大切さにも気づきました。ファシリテーションとコーチングの活用も有益でした。
この本はこの活動をもとに連載したブログ「笑顔経営塾」を加筆修正して書籍にまとめたものです。筆者は、楽しい雰囲気の会社は業績も向上すると考えています。すべての人の笑顔を大切にするという前提で活動していけば、企業経営改革もうまくいくという思いを書籍にしています。
この本の使い方は、起業家や就活生へのガイドとしてはもちろん、経営改善のための話し合い、あるいは若手幹部候補生の勉強会やセミナーのテキストにお使いいただくことが可能です。
この本の構成は、第1章で現状把握からの事業変革の進め方を学び、第2章から第4章では事業変革で目指すべき「理想の経営」「理想のリーダー」「理想の風土」について学びます。
第5章では、事業変革を具体化する戦略の策定と展開の方法を学び、第6章と第7章では、戦略の重要な要素となるマーケティングと人事・研修について学びます。
第8章は戦略の具体的な展開で重要な手法となるワークショップ、問題解決、意思決定について学び、第9章では経営改善の新しい流れと信頼される会社になるための内部統制を学びます。第10章では、外部に目を向けることの重要さについて学びます。
まずは社員の笑顔です。よく話してわかってもらえれば笑顔になります。笑顔には伝播性があります。脳も喜びます。笑顔を振りまきましょう。
経営でお悩みの経営者の方や経営を学びたい方が、本書で少しでも笑顔になっていただければ幸いです。