その時、真珠色に輝く大きな翼を持った天使が叫んだ。

「我が名はミカエル。反乱する者どもよ、今すぐ降伏せよ!」

それに応えるかのように、漆黒(しっこく)に輝くひときわ大きい翼を持った天使が叫んだ。

「我が名は闇の王ルシファー。我らは愚かなるそなたたちに降伏はせぬ!」

「なぜだ、兄さん! なぜ神に背き、我らを陥れようとする!」

顔を歪め、吐き出すように言うミカエルにルシファーは答えず、ミカエルに飛びかかるとそのだいとう美しい顔めがけて大刀を振り下ろした。その刃を寸前で受け止めたミカエルが叫んだ。

「答えよ、我が兄ルシフェル! なぜなんだ!」

ルシファーは表情ひとつ変えず、ミカエルを攻め続けた。

第1章 光の神が創った世界

1―1 宇宙創世

遠い遠い昔、闇だけが存在する世界に一つの光が誕生した。光は闇と調和を取り、すばらしい旋律を作った。

光の神と闇の神が自我を持ち、一つの力が生まれ大きく膨らんだ。膨張した力はどこまでも広がり、大爆発を起こした。

光と闇の壮大な美しき世界、宇宙が誕生した。いくつもの破片が集まり、形を変え星が生まれた。

さらに星が集まり、惑星が生まれた。星や惑星の誕生で宇宙に流れが起こり、天体が美しく輝いた。

惑星が命を持ち活動を始めた。熱が生まれ、熱を押さえ込めず噴き出している惑星に天体は引かれ、円を描き始めた。