三田② 2011年

やたら電力不足だ節電だと喚いていて、会社内も暑い。客からも「館内が暑過ぎるからどうにかしてくれ」とクレームを言われたところで、こちらで温度調整が出来るはずもなく、言葉を濁す。

普段、汗を滅多にかかない私だが、ハンカチを携帯し時折、広い額を拭う。

家に帰宅すれば、即風呂場に直行し、ガンガンに冷えた部屋で身体の火照りを冷やす。もうこんな生活が2ヶ月ばかり続いている。

表向きでは、節電と謳っているアナウンサーだって、家に帰ればキンキンに冷えた部屋で、グダってるはずだと「私だけじゃない、なんならみんなそうだよな」と自答自問。

テレビのニュースでは連日、澤の神がかったボレーシュートが流れ、岩手出身の岩清水が地元に帰郷し、丸山桂里奈が歌っている。私の音楽の履歴書の最重要バンド、PENPALSが再結成をし9月には大阪と東京でフェスに出演と、震災後の日本や私を勇気づける明るいニュースが、流れる夏。

8月に入り、私がオーガナイザーを務めるDJイベントが3周年を迎えた。

【TAMACHINISTA!!!】

という名のイベントは、文字通り田町で産声を上げたイベントだ。田町のヒデジのBARで年に数回行われているDJイベントで、私も含めてDJが6名。

巷では、誰がタニマチなの? [タニマチニスタ]やら、男だけだから? [タマキンニスタ]などと揶揄されるが【タマチニスタ】が正解である。

確か、イギリスのバンド、クラッシュのアルバム『SANDINISTA!』を、オマージュしたような気もするが、メンバー全員、クラッシュ教でも、パンクロック精神でも、ロンドン愛者でもない。

「タマチニスタ」という響きがよかっただけだ。